暑くて動かない日が増えたら|肩や腰が重くなる前に見直したい「3分の動き」
2026/07/21
岐阜市の筋膜(ファッシア)専門整体スタジオ「THYME(たいむ)」代表理学療法士×認定筋膜マニピュレーションスペシャリスト×ムーブメントリンクススペシャリスト×ピラティスインストラクターの小木曽です。
暑くて動かない日が増えたら|肩や腰が重くなる前に見直したい「3分の動き」
梅雨が明けて暑さが厳しくなると、外を歩く時間や買い物へ出る回数が自然と減ってきます。
「最近、身体を動かせていない」
「冷房の部屋で座っていると、肩や腰が重くなる」
「運動したほうがよいと思うけれど、暑い外へ出るのは心配」
このように感じる方もいるのではないでしょうか。
暑い時期に、無理をして屋外で運動する必要はありません。まずは涼しい環境を確保し、水分をとりながら安全に過ごすことが大切です。
そのうえで見直したいのが、運動量の少なさだけではなく、同じ姿勢が長く続いていないかという点です。
まとまった運動ができない日でも、座り続ける時間を3分だけ途切れさせることはできます。その短い時間が、肩や腰だけに頼っていた身体の使い方に気づくきっかけになるかもしれません。
夏の身体が重いとき、運動不足だけが背景とは限りません
暑さを避けて室内で過ごすことが増えると、歩く距離だけでなく、日常の中にあった小さな動きも減っていきます。
玄関まで歩く。
靴を履く。
階段を上る。
店内を見ながら方向を変える。
荷物を持って歩く。
こうした動作では、足首、股関節、骨盤、背骨、肩甲骨が少しずつ動いています。
外出が減ると、その分だけソファや椅子で同じ姿勢を続ける時間が長くなりやすくなります。すると、筋力が急に低下するというよりも、まずは姿勢を変える回数や、身体を動かす方向が少なくなることがあります。
たとえば、座った状態では股関節を曲げた姿勢が続きます。骨盤の位置も変わりにくくなり、背中が丸まったまま、あるいは腰を反らしたまま過ごすことがあります。
その状態から急に立ち上がったり、腕を上げたりすると、本来は全身で分担したい動きを、腰や肩が多く引き受けることがあります。
肩や腰の重さは、痛い場所だけの問題とは限りません。
肩と腰は、胸郭や股関節を通してつながっています
肩を動かすときは、腕の付け根だけが働いているわけではありません。
腕が上がるときには、肩甲骨が胸郭の上を動き、鎖骨や背骨も少しずつ動きます。胸郭とは、肋骨や胸の背骨でつくられる部分です。
長く座った姿勢で胸郭が動きにくくなると、腕を上げるときに肩をすくめたり、腰を反らしたりして補うことがあります。
腰についても同じです。
立ち上がる、歩く、振り向くといった動作では、腰だけでなく、股関節や胸の背骨も動きます。股関節の動きが小さくなれば、その分を腰が身代わりになって動くことがあります。
身体は、複数の場所が協力して動くことで、一か所への負担を分散しています。
肩が重いから肩だけを回す。
腰が重いから腰だけを伸ばす。
それで楽になることもありますが、しばらくすると戻ってしまう場合は、胸郭や骨盤、股関節まで含めて見直すことが一つのヒントになります。
良い姿勢は、同じ形を保ち続けることではありません
肩や腰が気になると、「背筋を伸ばして、正しい姿勢を保たなければ」と考えがちです。
けれども、背筋を伸ばした姿勢であっても、長時間続けば身体には負担になります。
猫背がすべて悪いわけでも、脚を組むことが直ちに問題になるわけでもありません。大切なのは、一つの姿勢を固めることではなく、必要に応じて別の姿勢へ移れることです。
少し丸くなる。
少し伸びる。
左右へ体重を移す。
立ち上がる。
また座る。
こうした小さな変化があることで、同じ筋肉や関節だけが働き続ける状態を避けやすくなります。
ピラティスにも、姿勢を力で固めるのではなく、呼吸に合わせて背骨や骨盤をコントロールする考え方があります。
ピラティスは、単に腹筋を鍛える運動ではありません。身体のどこを支え、どこを動かすのかを感じながら、動き方を学ぶ方法の一つです。
涼しい室内で行う「3分の動き」
暑い日には、エアコンなどで涼しい環境を整えてから行いましょう。
汗をかくほど頑張る必要はありません。痛みを我慢せず、呼吸が苦しくならない範囲で試してください。
1分目 肋骨の横と背中へ呼吸を送る
椅子に浅めに座り、両足の裏を床につけます。
肩を無理に下げたり、背筋を強く伸ばしたりせず、楽に座ります。
鼻からゆっくり息を吸いながら、胸の前だけでなく、肋骨の横や背中側も広がる様子を感じてみましょう。
口から細く息を吐き、肩や腕の力を少し緩めます。
3〜5呼吸ほど行います。
深く吸おうとして肩をすくめる必要はありません。呼吸によって胸郭が小さく動いていることに気づくだけでも十分です。
2分目 椅子で骨盤を小さく前後に動かす
両手を太ももの上に置きます。
骨盤をゆっくり前へ転がすと、背中が少し伸びます。次に骨盤を後ろへ転がし、背中を少し丸めます。
大きく反ったり、腰を強く丸めたりせず、心地よく動ける範囲を探します。
呼吸を止めず、6〜10回ほど繰り返しましょう。
腰だけを動かすのではなく、骨盤の動きに合わせて背骨の形が少し変わる感覚を確かめます。
3分目 立って左右へ体重を移す
椅子の背や壁に手を添え、安全を確保して立ちます。
両足を腰幅程度に開き、右足、左足へとゆっくり体重を移します。
膝を突っ張らず、足裏全体で床を感じます。慣れてきたら、体重を移した側と反対の腕を軽く前へ伸ばしてみましょう。
大きく身体をひねる必要はありません。
左右へ体重を移すことで、足裏、足首、股関節、骨盤、背骨が一つの流れとして動きやすくなります。
3分を一度だけ行うより、座り続ける時間を途切れさせる
この3分の動きだけで、肩こりや腰痛がすべて解消するわけではありません。
大切なのは、運動として完璧に行うことよりも、同じ姿勢を長く続けないための区切りとして使うことです。
たとえば、次のようなタイミングがあります。
朝の家事が一段落したとき。
昼食後に座り続けているとき。
パソコン作業の合間。
夕方、肩や腰が重くなる前。
テレビ番組が終わったとき。
1日分をまとめて頑張るよりも、座り続ける時間の途中で身体の向きや姿勢を変えるほうが、日常には取り入れやすいかもしれません。
毎回3分が難しければ、呼吸だけ、骨盤の動きだけでも構いません。
「今日はできなかった」と考えるのではなく、身体を動かすきっかけを一つ増やすところから始めてみましょう。
痛みや体調の変化があるときは、運動を優先しない
暑い日は、身体を動かすことよりも体調管理を優先してください。
めまい、頭痛、吐き気、強いだるさ、息苦しさ、普段と違う反応などがある場合は、運動を中止して涼しい場所で休みましょう。状態によっては、医療機関や救急への相談が必要です。
また、肩や腰に強い痛みがある、しびれや力の入りにくさがある、転倒や外傷の後から痛む、発熱を伴う、急に症状が悪化したといった場合も、無理にセルフケアを続けず医療機関へ相談してください。
暑くて外へ出られない日があっても、焦る必要はありません。
涼しい部屋で呼吸をし、骨盤を少し動かし、左右の足へ体重を移す。その3分が、肩や腰だけに頼らず、全身で動く感覚を取り戻す入口になることがあります。
身体の変化は、大きな運動ではなく、小さな気づきから始まります。
正しい知識とトレーニングをこころがけて筋膜(ファッシア)の正常化と健康寿命の延伸を図っていきましょう!
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