認知症の前段階、「MCI」を知っていますか?
2022/04/28
岐阜市の筋膜専門整体スタジオ「THYME(たいむ)」代表理学療法士の小木曽です。
【正しく知って認知症予防】
認知効能の低下がある認知症の人と認知機能の低下がない人の間にあるのがMCI(軽度認知障害)です。
認知症の症状は記憶力の低下や時間・場所などの状況把握の困難、理解力・判断力の低下、物事の段取りを整えることや効率よく行動できない、言語自体の理解や意志の表現がうまくできない、動作や物の操作ができない、そこにあるはずのものが認識できないといった認知症自体の中核症状と、本人の性格や周囲の環境、人間関係などの要因によって引き起こされる抑うつ、幻覚、妄想、帰宅願望などの精神症状と徘徊、興奮、暴力・暴言などの行動異常があります。
この認知症になる手前の状態がMCI(軽度認知障害)です。
MCIの定義としては
・記憶障害が年齢や教育レベルを考慮しても客観的に存在する
・本人の記憶障害(物忘れ)の自覚、または家族(情報提供者)からの証言がある
・全般的な認知機能は正常である
・日常生活活動は正常に行えている
・認知症ではない(重要!)
となります。
MCIの人は日常生活活動はほぼ正常に行えているため、家族や周囲の人が気付きにくい症状です。
ですが、MCIの疑いがある人は65歳以上の人の15~25%といわれており、自分や家族がMCIであることを気づかないまま生活している人も少なくないと考えられます。
MCIにはいくつかのタイプがあります。
2001年の段階では「物忘れが主体の健忘タイプ」、「複数の脳の機能にまたがった軽微な障害があるものの認知症とは言えないタイプ」、「記憶以外の脳の機能であきらかな障害があるタイプ」の3つです。
上記のMCIの定義は「物忘れが主体の健忘タイプ」のもので、記憶障害のみが認められるタイプの判断基準になります。
「複数の脳の機能にまたがった軽微な障害があるものの認知症とは言えないタイプ」、「記憶以外の脳の機能であきらかな障害があるタイプ」については、さらに記憶障害のあるなし、障害が単一か複数かなどで判断されます。
MCIの記憶障害は年齢による物忘れと違い、少し前のことでも忘れることが多くなる、新しいことが覚えられないといった特徴がみられます。
また、認知機能の低下がうかがえる症状としては、しりとりをしながら歩いたり、ラケットに乗せたテニスボールを落とさないように歩いたりといった同時に2つ以上のことがしにくくなる、家事や仕事での失敗が以前よりも増えるなどの変化がでてきます。
ですが、MCIはまだ改善可能な状態です。
脳トレ、新聞や読書、ゲーム、楽器演奏などの認知トレーニングや、大きな歩幅で歩くことなどを心がけることで改善が可能といわれています。
正しい知識とトレーニングをこころがけて筋膜の正常化と健康寿命の延伸を図っていきましょう!
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